第3話「夕顔」

「心あてに それかとぞ見る 白露の 光添へたる 夕顔の花」

絶対にエルムドアから源氏シリーズを盗む。。。
いつか盗むと決めた心は、未だに果たせぬつらさでいっぱいだよ亜美ちゃん。


「いいえ。私の方こそお許しを」
絶対に許さない!エルムドアから源氏シリーズを盗めないだなんて絶対に信じない!
今さら疑うものか!私はファミ通の攻略本を信じる!!


「こんなに素敵な方が、通りかかってくださるのなら」
待っていたよ…エルムドアさん…
黒き攻略本を手にした日から、ずっと貴方と闘う日を待っていましたよ。。。


「日がな一日表を眺めて、お待ちしていましたものを」
日がな一日、盗みまくっていましたよエルムドアさん。。。


「名前ですか?あの花と同じ…夕顔と呼びください」
夕顔と書いてエルムドアと読む。どう考えても読めないわね。


「こうして私に会いに来ていただけるだけで、わたしはしあわせです。」
貴方に会いに来てるのではないのです・・・源氏シリーズに会いに来ているのです。。。


「もしあなたが、どこのどなたと知ってしまいましたら、わたしはきっと…」
今さら疑われるものか!お前は私を信じる!!


「あなたがお帰りになったすぐ後に…さみしさのあまり」
帰るも糞もないよ亜美ちゃん。。。源氏シリーズを手にして前に進むか、リセットするかだよ。。。


「あなたの所へ押しかけてしまう、かもしれません。」
ドンアクドンムブ状態でなにかできるものですかっ!


「そうしてあなたに嫌われます。」
そりゃ、源氏シリーズを盗めないとわかったら嫌うも嫌わないもなくズシャッ!ズシャッ!だよ。


「嫌われたら私は死んでしまう」
源氏シリーズが盗めないと知ったら、3秒でアッー!よ。


「多くを望むと今を忘れます」
なんですとぉ!


「今私はこうして、精一杯幸せを感じています」


「それだけで、それだけでわたしは。。。」 「はぁ…」
大砲的脳波選局だよ亜美ちゃん。



「蛍…」
はじまりの森なんだね亜美ちゃん。


「はははははっ・・・ははっ・・・うふふふ・・・っあははははっ・・・はは」


「恐ろしいくらい…恐ろしいくらい。幸せがいっぱいで、私の心は張り裂けそうです。」


「このまま…死んでしまってもいい」


「うふっ。あなたは私に幸せを運んでくださった神様。神様は死にません」


「幸せを続ける…」


「はぁ…ぁ、こんな幸せを続けたら、死ぬより前に体が溶けてしまいます…っ」



「いけませんわ。神様が女をお口説きになってはいけません」


「それでなくとも、わたしはアナタの言うがままなのですから」


フリンには優しくしなさい。
レスリーを大切にしなさい。

「はい」

ケルヴィンを信頼しなさい。

「はい」

何か起こったら、トマス卿とシルマール先生に相談して、お二人の意見を尊重しなさい。

「思っています」

もし、テルムへ帰る時が来たら、私に代わって、陛下にお詫びを申し上げて。

「それから?」
フィリップとマリーには、本当にごめんなさいと。

「それから?」
夕顔、もう一度よく顔を見せて。


エルムドアから源氏シリーズを盗めないと知った瞬間、逝ってしまったんだね。。。享年19なんだね。。。
生まれた瞬間からプレイヤーはゲーム会社の家畜なんだッ!!