第5話「星の夜・二人だけのワルツ」

細田回 その1

脚本:ウン金春
演出:細田守
さっかん:川村敏江


声の出演


ナージャ・アップルフィールド:小清水亜美
オルグハスキル一条和矢
アーベル・ガイガー:山崎たくみ
シルヴィー・アルテ:折笠富美子
ケンノスケ・ツルギ:木内レイコ
アンナ・ペトロワ:京田尚子
カルロワ伯爵夫人:速水 圭
ニーナ・カルロワ:飛松加奈子
召使:上別府仁資
マーサ:松本美和
エマ・クインズベリー:今井由香
ハーコート公爵:立木文彦
アメリア:詩乃優花
フランシス・ハーコート:斎賀みつき


パカラパカランパカラン。。。ヒヒーン。。


「星の瞳のナイト。。。」


タイトルコール。。。星の夜・ふたりだけのワルツ。。。


「星の瞳のナイトにまた会えた。。。星の瞳のナイトに。。。」


「はじめましてナージャです!レディクインズベリー」


「きれい。。。こういう人を貴婦人って言うのね・・・


「あっ!はい!」


「一人で戻れるかな。。。」


ウロウロナージャ


「うわ〜すっご〜い!」


「あっいえ!わたしは。。。」


出口出口はっと。。。」


「あの。。出口はどちらでしょう!」


「あっ!お手をどうぞ!」


「出口はどちらですか」


「エヘヘヘヘ。アハハハハ」


「どうしよう。。完全に迷子になっちゃった。」


「白バラの貴公子?」


「あっごめんなさい、間違えました。」


「あのっわたし!」


「このお屋敷で働いてるんですよね。」


マーサチョキチョキ、バラチョキチョキ


世界が違う



♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪Bパート♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪



マザードレスを手に、ステップを踏み始めるナージャ


フランシス。。。


公爵様


これはこれは、カルロワ伯爵夫人。ご機嫌麗しゅう


お久しぶりですわねハーコート公爵、フランシス様も


ようこそおいで下さいました


まぁフランシス様ますますりりしくてらっしゃる


お目にかけますわ。娘のニーナです。


ニーナ・カルロワです。今晩はおまねきいた…いただきまして光栄に存じます。


フランシス・ハーコートです。こちらこそお会いできて光栄です。


ニーナは今日が舞踏会デビューなんですのよ。


それはそれは。


是非ともフランシス様に手を取っていただきたいと思って。


まだまだ子供ですのでお気にめすかしら


いえいえ、お美しいのは血筋ですな。なぁフランシス。


「申し訳ありませんが。。。」


「踊りは苦手なんです」


「フランシス!」


「失礼いたしました」


「こちらこそ、今日はゆっくりお過ごしください」


「フランシス」


「すみません」


「踊ることも貴族の務めのひとつだと!」


「失礼して、ちょっと外の空気を」


「あの子のパーティー嫌いにも困ったものね。チャリティのためだから仕方なしにお付き合いしてます。っていうのがみえみえだわ」


「いつも断るものだから、フランシス様は踊れないなんて噂まであるのよ」


「あれは母親に似たんだ」


アメリアもそうだった」


「そうねえ。。。アメリアッたら音楽や踊りはとっても好きなくせに、パーティーだけは苦手で」


「いつもこっそり抜け出しては、バラ園でため息をついていたな」


「い〜い?フランシス?ダンスは楽しく踊るものなのよ」


「ワンツースリーワンツースリー」






お母さんのドレスナージャ。。。外で一人で踊るナージャ


音楽が終わる。拍手


「んーーーふぅ」


「きみ!」


「え!?」


「なぜ、どうして隠れるの」


「すっすみません。あなたがどなたかわかりませんけど、本当はわたし…パーティーのお客じゃないんです」


「安心してください。僕は警備の人間じゃない」


「え、、ぁじゃあ。」


「僕は、、社交辞令ばかりのパーティーに息が詰まって逃げ出してきた、だだのはみ出しものです」


「なぜ一人で踊っていたの?」


「それは。。。ワルツがあんまり素敵で、たのしそうだったから」


「そうですね…ダンスは楽しく踊るものだ」


「と母がいつも言っていました」


「お母さん?」


「春の陽だまりのように暖かで、でも僕が8才のときになくなってしまいましたが」


「寂しくないですか」


「子供の頃は寂しかった、でもは母たくさんの思い出を残してくれたから」


「そうなんだ。。。」


「君のお母さんは」


「わたし、お母さんの思い出が無いんです。赤ちゃんの時から孤児院育ちだから」


「でも、孤児院にはたくさん兄弟がいたから、だから平気」


「なるほど、いいな」


「ずっとお母さんは診断だって思ってた。


きっとお母さんを見つけるの。どこにいるかはまだわからないけど」


「見つかるよきっと。見つけたら、お母さんと一緒に新しい思い出を作ればいい」


「小さい頃に作れなかった思い出まで、うんとたくさん」


「よかった…さっきね、しかられると思ったの」


「まさか」


「こんな立派なお屋敷なんて、わたし初めてだから、最初はすごいなぁ〜きれいだなぁ〜なんてワクワクしてたんだけど」


「なんだかだんだん、ここに住んでる人とは世界が違うな…って思って」


「そんなことはない!」


「貴族だとか平民だとか、血筋がどうとか財産がどうとか教養がどうとか、そんなことは人間の値打ちとは何も関係ないんだ」


「大事なのはその人が、一日一日をどう一生懸命に生きてるかってことなんだ」


「…と母に教わりました」


「アハハハハ」「フフフフ」


「あっ!」


「なに?どうしたの」


「今、流れ星が」


「流れ星…」


「お願いごとしそこねちゃった」


「でも、大丈夫ですよね」


「えっ?」


「一生懸命生きて、ちゃんと努力をしている人の願い事は…」


「きっとかないますよね」


「あぁ…きっとそうだよ」


「ふぅぅん。。。」


「あっ…、あっ!」


「星の瞳のナイト!?」


「一緒に踊っていただけますか?」


「はぁ…」


舞い上がるバラ


「白バラの貴公子が」
「踊ってる。。。」
「でもあれは。。。」
ナージャ!!」


「僕はフランシス・ハーコート。。。君の名前は??」


ナージャ。。。ナージャ・アップルフィールド


「あの夜はありがとうございました」


「あの夜って?」


「えっ?だって。。あの。。危ないところを助けてもらって。。。」


「えっ。。。ええっ!?」


いざフランス