第9話 「Q速∞」

『ファール!!』


飛距離十分の大ファール。


カウント2-3


ブーゲンビリア「ミンちゃん・・・」


もう投げるコースがない…


ニーナ「記憶をたどれ。お前のアニキにも、苦手なコースがあっただろ?」


ミンタオ「・・・アニキの苦手なコース」


目を閉じ、昔の兄の記憶をたどるミンタオ…


浮かぶのは少年時代の傲慢な兄。苦く目を開く。


ミンタオ「おっほえ!」


覚悟を決めた渾身のストレート。


チックくん「正気かアイツ」


ミンタオ兄「俺の一番得意なコース…」


カッ!!


監督「ちょっとつまっとる」


チックくん「風は逆風だ」


ズゴンッ!


ミンタオ兄「嫌いなやつから一発打つのは気持ちいいね」


『ミンタオ轟沈!!』






ブーゲンビリア「おーい、ミンちゃん三国志?やろうよ」


ミンタオ「・・・」


ニーナ「名声を(ry」
レオパルド「いや戦車の開発を(ry」


ブーゲンビリア「やっぱりミンちゃんがいないと、盛り上がらないよ」







グラウンドにはウォーミングアップ十分のミンタオ。


チック君「吹っ切れたようだな」


赤く腫れた目で振り返る。


ミンタオ「俺にはウイニングショットが必要だ」











ミンタオ「あの時のボール・・・もう一度投げられたら・・・」


指を痛めていたときに偶然投げられた、謎の変化球を思い出そうとするミンタオ。


暮海さん「ふしぎな回転をするボール・・・こんな握りじゃなかったか?」


ミンタオ「それっす!」






ニーナ・ブーゲンビリア 「おお・・・」


チックくん「80年代の魔球スプリットフィンガードファストボール
       90年代の魔球サークルチェンジ
       2000年代の魔球ブスジマチェンジ」


チックくん「そして、2010年代の魔球となるのが、このミンタイガーだ」


つづく