第九幕「狼と羊使いの子羊」

腕前?

わっちがおるけん。

人間の巣はメスが何匹いても

ふぅギリギリ及第点じゃな?

まぁ上の中と言うところかや

わっちならあの娘のヒツジを狩れるじゃが、並の狼

犬の扱いが実に長けておる

厄介な羊飼いと言うのは

あれはその二つを満たしていると思う

声をきく

いっそのこと今のうちに

ぬしよ…本当にあれをやとうのかや?

はぁ…あれを雇うということは、しばらく共に旅をする

「イヤと言うわけではない」

「だめということはありんせん」

「わっちが何を辛抱するんじゃ?」

「わっちはかなわぬが、ぬしが困ろう」

「下手に他の者と旅をして、わっちのことがばれたらどうする」

「はぁふぅん?なるほどのう、こういってもらいたかったわけかや?」

「わっちは、ぬしとふたりだけがいい」 「たわけ!」

「まったく…まぁ、2日くらいならばれぬじゃろ。勝手にすればよい」




「しっぽは毎日の手入れが大事なんのじゃ」

「んぉ?なんじゃ、あの小娘のことかや?」

なんじゃ

はうぐっ

ふんっ、おちおちしっぽの毛づくろいもできん

荷台なんかでやっていたら

ずいぶん

犬や羊とははずマンじゃろ

小娘が主と話すのを嫌がって他のもの気づかんかったのか


くっははははぁ

似合わぬ、にあわなすぎじゃ

ぬしも意外な切り札を持っておるのう

うむ、なんだかどうでもよくなった

小娘がくれた贈り物じゃな

はぁ


いや、その金で桃のはちみつ漬けじゃ

それはする

あれはなんじゃ?

「異様に守りの堅い町じゃのう」


「ポロソンから買い付けるのが、そんなに珍しいことなのかや?」
「ふんぅ…」

「役人と言うのは、どこへ行ってもいけ好かぬものじゃな」

「かすかな」

「さしずめ、あの武具の山を見て、承認風情がいい気になるなと言った気分なんじゃな」


かはぁーうまい!ぬしおかわりじゃ!

まだ序の口じゃ!

金のかかる娘に引っかかったなぁ

酒はうまく、その上にぎやかで良い町じゃ

用兵とは

まかせときんす

で、どこいくのかや?

あぁ?
むぅーうぅーわぇっ!

あるのかや?

んーわっちはかわいいからのう。

なぁに、そのときは主を加えて


「あーそれそれ」

「むぅ捕らわれてるのがぬしでは、助け甲斐もないしのう」

「ところでぬし、商館とはなんじゃや?」

「いいもんじゃのう、あちこちに故郷があるというのは」

「なんじゃ、わっちをつれて同郷のものに自慢するんじゃないのかや」


「子ども扱いするでない」 「いるにきまっておる」


工事中