第15話「おいかけたいの!」

「カイの奴…」
双界儀の奴…マテリアシステムを継承したのに…4.23 すべての 謎を 解き明かせ とか言ってたのに…


「くっ…くひぃッ!…あたしだけ除け者にして…絶対許さないんだから!」
絶対に許さない…許さないから!



「金城!あたしだけ除け者って言うのはどういうこと」
謝花さんは可愛いなぁ


「とぼけないでよ!昨日カイたち戻ってきてたんでしょ。加藤と柿本から聞き出したんだから」


「何で私には知らせてくれなかったの!?」


「んッ!」


「付いて行くって…カイたちどこにいるのよ!」


「行ったって小夜といっしょに!?」
すっげぇマイクっぽい声

「どうして止めなかったのよ」


「誰?おっさん」 「もしかして、援交目当て?」


「新聞記者?」 「小夜じゃん」


「それ何かのコスプレ?ドレス着てるし変な刀持ってるし。そんな趣味あるなんて知らなかった」


「ぅわ…何これ?B級映画?」


「アンタ、何知ってるの?小夜がどこに居るかも知ってんでしょ」


「痛い目にあいたくなかったら、おとなしく白状なさいよ…さもないと…ぁッ!」




「謝花興産さん。うちはごく普通の不動産業者…多分ね」


「で、なんで音無小夜やがベトナムの高校にいるわけ?」


「それに、どうして30年も前にベトナムで取った写真にも、小夜が写ってるわけ?」


「ありえないじゃんそんなこと。」


「古いのに写ってるが母親かなんかで、小夜がその子供だとかいわれたほうが信憑性高いけど」


「確かによく似てるけどね」


「怪物ねえ…」


「それじゃあ、小夜は怪物退治に旅立ったってわけ?」


「ゲームの世界じゃあるまいし。まさかその怪物ってのがここにもいるって言うんじゃないでしょうね?」


「どうしたの?」


「9月の終わり頃かなぁ」 「何それ?」


「ばーかじゃん?そんなのあるわけないって」


「トラブル?なんかまずそうな感じ」


「昨日、小夜たち沖縄に戻って来てたって」 「行儀悪すぎ」


「もういない。行っちゃったんだって…どこかに…」


「隠し事をしても、嘘をつく子じゃないよ、金城は!」


「沖縄を出たってのは…本当だと思う」


「今の電話は?」 「完全に手詰まりってこと?」 「フランス?」


「何でフランスじゃダメなのよ!あんたベトナムまで行ってきたんでしょ!」


「いくらあればいいの?」 「いいから!」




「開けて」 「早く!」 「出して!」 「いいから早く!那覇空港!」


「わたしを連れて逃げて」


「とりあえず、5千万ある…」


「お父さんの表に出せないポケットマネー」


「この資金を軍資金として提供する」


「つまり…あたしがスポンサーになるって変わりに、条件を二つ飲んで」


「その1、わたしを取材に同行させること」


「探してるのはカイ」


「そうよ」 「もう無理」


「持ち出す時に、親父に見つかっちゃったから」


「多分、事務所の若い連中が追っかけてきてると思うんだぁ」


「ほらぁ、グズグズしてると捕まるわよ。こわーい謝花組に…」


「2つ目の条件、わたしの前では禁煙すること」


「タバコ嫌いなのよね、わたし。だからよろしく」


「待ってなさいよカイ!この謝花さまが絶対見つけ出してやるんだから!」


「ほら!信号青!」